一般紙の記事から、日本航空が格安航空会社設立を検討しているという話。「格安航空会社」と聞くと、どうしても「食事・飲み物が有料」とか「座席が狭くて設備もシンプル」みたいな印象がまず浮かんできますが、そういう部分の削減幅あるいは有料化することで得られる利益って結構少ないんじゃないかと思うんですよね。例えば、100人の乗客が一人US$10分の食事を購入したとしても、売り上げは高々US$1,000、10万円程度。それって、ちょっと燃料が値上がりしたりすれば消えてしまうような金額じゃないかと。
かといって、飛行機の整備で手を抜くわけにはいかないから、その部分はこれまで同様、いゃ場合によっては機体が古けれどさらに整備費用が掛かるかもしれないので、新鋭機を導入したほうがランニングコストは安くなるかもしれない。逆に、初期投資は高くなるけれど。後、パイロットの免許は機体の種類ごとに必要になるので、同型機で揃えることで整備費用も含めて効率化出来るけれど、その揃えた機体でちゃんと利益が出るような路線を組まないといけないというジレンマも生まれそうに思います。100人クラスの機体で統一したのは良いけれど、実は一回あたり200人くらいの需要がある路線だったり、その逆に乗客数の多い路線に合わせて機体選択したので、それ以外の路線では空席の方が多くなったりとか。
日本の場合、「新幹線」という大動脈があるのでさらに大変ですよね。「四時間」 が新幹線利用と飛行機利用の分岐点だそうですけど、国内移動の半分くらいは新幹線でカバーされてしまうんじゃないかな。譲れないライバルだけど、逆に言うと飛行機と新幹線を含む列車移動がうまく融合してくれると、利用者としては大変嬉しいんですけどね。ただ、すでにできあがっている空港を駅の近くに動かすわけにはいかないから、その部分が何とかなればなぁという感じ。羽田とか福岡とか、場所的にもアクセス的にも便利な空港は、そういう意味ではかなりのアドバンテージがあると思います。
もう一つ思うのは、フライト数の増加ですよね。静岡空港のスケジュールを見ていていつも思うのは、一日3便ある福岡線は別にして、その他は一日1便しかないので、どうしてもスケジュールが制限されてしまう。これが、せめて午前と午後1便ずつあれば、かなり自由度が増すと思うんですが。飛行機を利用するメリットはいろいろあると思うけれど、ちょっと極端な言い方をすれば、「飛行機を利用すれば日本国内どこでも日帰りが出来る」位のスピード感だと思うんですよね。確かに空を飛んで移動すれば地上を移動するよりも早いけれど、それが一日に1便しかないようでは結果的に一日かけて移動するのと同じなわけで、それなら遙かに自由度の大きい電車・新幹線を利用しようかという話になって当然だと思うし。アメリカの場合は全国的な高速鉄道網が無いから、飛行機で大きくジャンプして、あとは車(レンタカー)で数時間程度移動するなんて言うのが普通だけど、その車の部分を日本の場合は鉄道網で埋めることが出来れば理想的なんだけど。
格安航空会社の場合は、とにかく薄利多売で行くしかないわけで、これまでのHub & Spoke式の拠点集中方式ではなくて、多頻度に拠点間を結ぶPoint-to-Point式の運行開発を目指さないといけないけれど、狭い日本の場合難しいですね。
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