2010年1月11日

ソウルからヨボセヨ

産経新聞の海外コラムの一つ、「ソウルからヨボセヨ」の今朝の記事は、「"品格無き"時計屋」というはなし。思い入れのある時計が止まったので、通りかかった時計屋で電池交換を依頼したところ、違うタイプの電池を無理矢理押し込まれて、あげくにケースに傷まで付けられたという話。実は、タイトルを観て記事を最後まで読んだところで、これは同じ産経新聞ソウル支局の名物(?)特派員黒田さんの記事だろうと思ったところ、なんともう一人の女性特派員である水沼さんの書いた記事。女性と言うこともあるのか、日頃の水沼さんの記事は柔らかい感じの素直な印象で、黒田さんのような「拈り」はあまり入れない印象があるんですが、今回はよほど腹に据えかねたのか、かなりご立腹ですよね。まぁ、それだけ大切な時計ならば馴染のない通りかかったような時計屋に預けるのもどうかと思うし、ちゃんとした時計店で頼めばいいのにと思ってしまうけれど。まぁ、そういう部分を除いたとしても、日本ならばよほどのことがない限り問題なんて起こりそうもない時計の電池交換なんて言う行為にも問題が生まれてしまう韓国の社会は、個人的にもどうかと思いますけどね。

先日も、同じソウル支局の黒田さんが、ビピンパの盛りつけの写真だけ見せていては、実際に食べるときの混ぜ終わった状態とのギャップに、知らない外国旅行客は驚くだろうという話を書いていて、その中で「羊頭狗肉」という言葉を使ったものだから大騒ぎに。正直、話し言葉ではそれ程使う言葉ではないと思うけれど、書き言葉としてはまぁ一言で表現するときには有りかなという印象。普通の記者ならば、「写真と実際に食べるときの状態のギャップ」とか言うのかも知れないけれど、黒田さんだから相手が熱くなるのを分っていて、あえてこの言葉を入れて見ました、みたいな印象ですね。相手にとっては、痛くプライドを傷つけられて、新聞各紙が一斉に反論を掲載しているんですが、日本語版の記事を読む限りは単に「お子ちゃまが暴れている」という印象。意図的に言葉を使っている黒田さんの記事もどうかと思うけれど、それに対してそれ以上の「拈り」で対抗出来ない韓国マスコミもふがいない印象。さらに言えば、日頃散々日本に対してあること無いこと書いているくせに、こういう時にはそう言うことを忘れてけしからん論調になるわけで、まるでどこかの国の巨大与党にいる国対委員長を観ているような雰囲気(笑)。

最近はご無沙汰していますが、数年前までは韓国のエンジニアやマネージメント達と仕事でのやり取りや行き来もあり、一緒に韓国や日本で食事をしたり酒を飲んだりしていましたが、実は実際に接してみれば彼らはごく普通の人間。まぁ、仕事柄彼らもいろいろな国の人間に接する機会もあるだろうし、日本にも出張や観光で良く来ているから標準的なレベルとは言わないけれど、でも彼らなりに自分たち寄りの歴史認識や考えはあるものの、一般に聞くほど極端ではなく、日本人が日本寄りの考えを普通持つのと同じ程度の話。ただ、国民全体の意識として、そうは言っても全体として意見を言うときにはそれ以外は許されないという雰囲気が、どうも毎回感情的とも言える記事とか態度に表れるようです。

一種のディベート(debate)、と思えば面白い内容のディベートになるはずなんだけど、残念ながら日本人にとっては苦手と言うことも有り、余り興味を見せないテーマ。一方相手にとっては、これほど燃える国家的テーマはないわけで、もう水を得た魚のような感じかも(笑)。ただ、世界を観てみると、そうやって自分の意見を主張することが主流な訳で、その方法としては議論やディベートもあるし、一番極端な例としては戦争行為にまで広がるわけです。そこまで行かないまでも、ある程度恣意的行為や態度は必要なわけで、そういう事もプレゼンテーション技術の一つとして身につけないと、なかなかUSとかヨーロッパの連中とは議論は進まないし、最近ならば老獪とも言うべき中国の連中とも話しが出来ません。

まあ、黒田さんの記事にまるで判で押したように反応するのも韓国らしいと言えば韓国らしいけれど、もう一つステップアップするために黒田さん以上に拈りの聞いた「ほほぅ」と思わず日本人が膝をぽんと叩くようなコラムを今度は掲載して欲しいものです。もっとも、本人達は、そう言うつもりでああいった支離滅裂な記事を書いているんだろうなぁ...

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