2009年1月6日

勤勉な国民

産経新聞Web版に掲載されていた「【外信コラム】イタリア便り 怠け者の国?日本」という記事。筆者の方は、イタリア語の先生のようなんですが、単純に祝日の数を比較して日本の方が休みも連休も昔に比べて多くなっているから、以前のような勤勉な国民ではないと書かれているんですが、ちょっと短絡的な話じゃないでしょうか。

「ハッピーマンデー制度など、けしからん」と最後に書かれているんですが、少なくともUSでは、祝日が日曜日と重なると翌日の月曜日に振り替えていますから、それほど「他国民が知ったらあっけにとられる制度」でも無いように思うんですけどね。ヨーロッパでは無いのかも知れないけれど。また、これもUSの例で恐縮ですけど、日本の祝日のように全国一斉の祝日は結構少なくて、1月1日のNew Year's Dayとか独立記念日(7月4日)とか確か5日か6日しかなかったはず。その代わり、州毎に独自の「祝日」を設定していたり、会社毎に有給ではなく会社の休日を設定していたりしますから、結果的には日本の祝日と同じ位の祝日はあります。

祝日が日本で増えたのは、まぁ昔の「仕事中毒(Workaholic)」という批判に対してという事もあったかも知れないけれど、元々は休みや連休の機会を増やしてゆとりある生活をしましょうという事だったはず。それに、「勤勉」って仕事の時間に比例するものではなくて、能率に関わるもののはずですしね。しっかり休んでリフレッシュして、それで仕事を効率よく進めることが出来るというのが元々の趣旨のはず。もっと言えば、仕事をしている間は「富の生産」をしているかもしれないけれど、その「富の消費」は休みの時に生まれると言っても良いはず。休みが増えて、観光地に出かけたり、ショッピングをしたり、あるいはレジャーをする事で国内消費も増えて経済的にも刺激になると思うんですよね。日本で作ったもの・生み出したものが100%海外に出て行くならば、一生懸命休まず働いてもいいけれど、1億3000万人も人が居るわけだから、国内でも経済が回るようにすればもっと良いはずだし、そうしないから今の経済危機も生まれたように思いますし。

中国では、祝日があってそれに付属して連休にする場合には、その前後の土曜日・日曜日を振り返るんですね。例えば木曜日に何か祝日があると、木・金・土と三連休にして、日曜日は木曜日に振り返るからその時だけは「平日扱い」になります。旧正月とか建国記念日とか大きな祝日の時には連休になるんですけど、その分週末が削られるような感じなんですね。だから、結構休みは少ないように思います。でも、それを理由に「中国人は働き者で、日本人は怠け者」とは決して言えないんじゃないかと。例えば、イタリアよりもフランスの方に芸術作品が多いから、フランスの方が優れている、というようなもんじゃないかと。そんな違和感を感じるコラムです。

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