2008年6月13日
簡略された字幕
最近のテレビでは、ニュースとか報道番組以外でも、結構字幕が表示されます。字幕と言っていいのか、要するに画面で話している内容を、ある時は文字の色とか大きさを変えてちょっと滑稽に出したり、ある時はそのまま表示したり、一種の演出として使っているわけですが。で、まぁ、バラエティ番組なんかで、字幕もパロディーとかギャグとして使われるときはいいんですが、耳の不自由な人のために、元々の「字幕」として表示される場合、必ずしも話している言葉全部がそのまま表示されない事に、実はちょっと違和感を感じる場合があります。
表示できる文字数とか表示出来る秒数とか限られているから仕方ないとは思うんですが、元々の言葉を短くまとめるときに、別の人がその人の意図で短縮してしまい、話された言葉を聴いたときと字幕を読んだときの印象が、ちょっと変わってくる事があること。例えば、何かの販売店のインタビューの時に「お客様のご意見を伺い...」と話しても、画面の字幕では「客の意見を聞き...」と表示される場合が結構見られます。字幕だけ読むと、一瞬「失礼な言い方をする店員だなぁ」と思ってしまうんですが、でも画面の中の人はちゃんと丁寧に言っているわけです。
最近は見なくなりましたが、"Closed Caption (CC)"というシステムが昔はあって、話している言葉をそのまま表示するシステムがありました。アメリカなんかだと、ライブのインタビュー番組なんかでも、横で話しを聴きながらキーボードでビシバシ入力して表示されます。音声認識技術を使ったものもあったはず。日本語の場合は、漢字変換があるので大変だけど、英語でもたまに単語が間違ったりする場合もあるくらいですから。ただ、耳が不自由で字幕に頼らないといけない人の場合には、実は提供されている情報はある程度間引かれているものという認識(バイアス)が必要なんだと感じます。それは、実は私たちが常日頃当たり前のように、TVとかインターネットとかから得ている情報に対しても、それが情報の発信元から直接届いているのではない限り、何かバイアスがあるいはノイズが乗っている情報だと認識して理解しないと駄目なんだということでもあるんですよね。
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