2011年1月22日

NECとLenovoの提携話

昨日のビッグニュースの一つ、LenovoがNECのパソコン事業と提携するか、という記事。両社から正式なメッセージは出ていないので今後どうなるか分からないけれど、国内パソコン黎明期を知っている世代としては隔世の感がある話です。

NECのパソコン事業は、国内トップとはいえ富士通とは僅差の約20%の市場占有率。しかし、1980年初頭から2000年位までは、一時期は国内市場の80%近く、常に過半数以上のマーケットを抑えた「ガリバーPCメーカー」だったんですね。1980年代はPCメーカー各社が独自仕様のPCを出していた時代で、NECならPC-88/98シリーズ、富士通はFM Towns、そしてLenovoの前身でもあるIBMはPS/55シリーズとか。だから、当時のOSであるDOSやWindows 3.0にしても、各社が自社PC用に変更してだしていたくらい。

そんな群雄割拠の時代に一石を投じたのが、IBMがリリースした「DOS/V」でした。USでのIBM PC/AT上で動作するMS-DOS(英語版)をベースに、ディスプレードライバーとフォントドライバーを追加するだけで日本語表示を可能にしたもの。それ以外にも、日本語入力用のIMEとか細かなツールも有りましたが、とにかくディスケット1枚で、日本以外ではすでに世界標準になっていたIBM PC/ATで日本語が表示されて使えるというのは衝撃的でしたね。当時の国内PCの価格はIBM PC/AT互換機の数倍以上。これを機会に海外から安いPCがどんどん入ってきて、徐々にPC/AT互換機がメジャーになっていくわけです。結局、ライバルメーカーだった、東芝、富士通とPC/AT互換路線にシフト。NECも最後まで踏ん張ったけれど、時代の流れに逆らえずに98独自仕様を捨ててPC/AT互換路線へシフトし、結果的にそれが富士通の躍進を許すことになるわけですけど。

そんな訳だから、当時のNECとIBMと言えば言ってみれば犬猿の仲と言うか、まぁPCメーカー同士何処と何処の組み合わせでも同じだったけれど、特にNECはNEC PCとDOS/V機(IBM PS/V)を並べてスクロールの速さを見せるTV-CMなんかを流したりして、「あのNECがそこまでやる?」と投じ話題になったくらいでしたね。そんな時代を知っている一人としては、ですから今回のような話が出てくるなんて言うことは、時代の大きな流れを感じてしまいます。

そういえば、2000年代のPC業界では無敵だったDELLにしても、当時の勢いは最近は無くて逆に一時PC撤退なんて言われていたHPがぐんぐん伸びているのも時代の流れですねぇ。また、国内大手のNEC/富士通が、海外メーカー買収を足がかりに世界進出して、でも結果的に撤退しつつあるのに対して、東芝/SONYは自社のブランドで勝負して、大規模とは言わないけれどそれなりに地位を築いているのとは対照的です。「中の人」に取っては、日々大変なんでしょうけど、ユーザーに取ってみれば、そういう競争から新しいものが誕生すると、新陳代謝は必要。次の進化のためにも、より魅力的なメーカーが誕生してきて欲しいと思いつつ、だからといって自分のお気に入りメーカーの製品がその為に消えてしまったら、やっぱり残念だろうな。最も、今後はタブレットやスマートフォンといった、より小型の携帯デバイスにマーケットは映っていくだろうし、今のモバイルPCとかデスクトップPCは、今のワークステーションとかサーバー見たいなポジションになるんじゃないかと思うので、これからはいろいろと再編成が起きるのかも。例えば、任天堂とPCのxxxxメーカーの合併とか。となると、プレステもってるSONYが次の最有望株か? あっ、MicrosoftもXBoxもってるじゃん。ゲーム機メーカーが家庭内サーバーを抑えて、今のPCメーカーは単なる端末メーカーになる可能性も、無きにしも非ずですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿