所謂「裏金問題・裏金議員」の騒動に関して、選挙でそのような誹謗中傷を立憲民主党の野田佳彦代表から受けたと告訴した、前衆議院議員の高鳥修一氏。自民党の、このパーティー券販売のキックバックに関しては、明朗さに欠けていたことは批判されるべきだとは思うけれど、同じようなことは野党議員にも発覚して、そちらは「裏金」どころか「申し訳ない」の一言で幕引きというのはおかしいと思う。「裏金」と言うけれど、その収入はパーティー券としてわかっているのだから、「裏金」ではないのでは。その収益を議員に分配するときに記実不記載があったことが問題で、その行為に悪質性があれば告訴されて有罪となった議員や秘書もいるわけだから、そうで無ければ少なくとも罪には問えないのが今の法律の仕組みでは。
当時の野田代表の選挙演説では、この「裏金」を主張するだけで、肝心な国民の生活向上とか経済対策とか、そういう部分がすっぽり抜けていたので国民の支持を受けられず、議席は増えたけれど「躍進」と言うほどでは無い状態に。ある意味当然の結果だと思うけれど、その原因の一つは話題なれば良いと言うだけの理由で、この件を面白おかしく連日伝え続けていたメディアの責任も大きいと思います。特に選挙情勢の報道などでわざわざ「裏金マーク」まで作って伝えていたメディアもいたけれど、それなら他の政党や議員でも「有罪マーク」とか「不倫マーク」とか作って伝えろよと、小一時間。アマフジテレビのコンプライアンスが問題になっているけれど、あの報道姿勢はメディアとしてはもっと深刻な問題だと思うのに、ほとんど話題にならないというかしないようにしているのかな。「偏向」というか「宣伝」行為に当たるんじゃ無いの、あれは。
人間はそういう雰囲気に流されやすい生き物で、どうしても誰かが「○○」と言い出すと、「そうだそうだ」と同調してそれが事実として拡散されてしまう。過去の戦争に突き進んでいった理由も、そういうあおり行為みたいなものにどんどん鳴らされてその気になった国民の意思が大きな理由の一つだと思うなぁ。それが今ではネットがあるから、一瞬で燃え上がって拡散して、それがどんどん変質しながら広がっていく。しかも、どこかに必ずその履歴が残るから、時間が経過してからでも何か新しい発見みたいな形でまた拡散されていき、同じような騒ぎで盛り上がる。ネットの場合、「バズる=煽る」ことがある意味目的化している世界ですが、最近ではメディア特に週刊誌とか新聞などがそういう傾向になってきているのは、やはり部数を伸ばしたいから何でしょうね。
今回告訴が受理されるかどうかわからないけれど、仮に受理されて裁判が始まった場合には、「裏金」の定義から始まるのだろうか。仮に今回の件が「裏金」と認定されたら、今後不記載を起こした議員はすべて「裏金議員」と呼ばれても文句を言えなくなる。逆に「裏金」の定義として不適当となれば、これまでそういう言い方をしていた人達や、この国会で再度「裏金問題」を取り上げようとしている政党などは、もしかしたら墓穴を掘ることになるかもしれませんね。ネットの影響なのか、関わる人の層が一気に広がったせいなのか、どうもこういう雰囲気で人を批判する批評する事が普通になるというか、当然のように行われて、それが何か格好いい行為のようにも受け取られるのは問題だと思うなぁ。まぁ、野田さんにしても、なんでこの問題に執拗に粘着しているのか良くわからない。野党第一党党首として、もっと優先して訴求するべき案件があると思うんですけどね。そのあたりの感覚の鈍さというのが、この人やこの政党の命取りになりそうな気がします。
0 件のコメント:
コメントを投稿