昭和41年に発生した事件という事なので、自分がそれなりに物心着いていた頃の話が、それから60年近く経過してやっと一つの結論が出た感じ。所謂「袴田事件」と言われていた、当時の清水市で発生した味噌製造会社での4人の殺人事件。最初の裁判で死刑判決が出た後、証拠として提出されたズボンのサイスが合わない(小さすぎる)、味噌くらいから発見された血痕の付いた衣類の血痕が赤いままなど、検察が提出した証拠の疑問が明らかになり何度も再審請求してきたけれど、なかなか死刑判決が覆ることが中たったもの。それが、その後の科学的手法での解析結果なとを積み上げて、やっと最新が始まり、これも結構長い時間が掛かったけれど、静岡地裁で「無罪」の判決が出たもの。
昨日は午後判決が出されると、全国ニュースでテロップが出て直ぐに画面が裁判結果の速報に切り替わるなど、全国的なニュースになるのも納得出来る話。勿論ローカル局の夕方のニュースでは、いつもの寄りも番組スタートを繰り上げて特集するなど、注目度の高さを占めています。ただ、余りに時間が掛かりすぎているから、こういう判決の時には凄く話題になるけれど、それ以外の時には地元でもそんなに意識されることは正直なところ無いような気がする。
60年近く続いた裁判なので、私もそれなりに大人になってから見聞きしたこの事件の話を聞くと、正直なところ検察の証拠には無理がある気がするわけで、でも再審請求などではそれが「証拠」として再審棄却されてきた経緯が良く分からない。10年位前に確か2回目の再審請求が認められて、それまで拘留されていた袴田さんが釈放されることになり、昨年に最新確定が確定して今回の静岡地裁での判決になったわけですが、報道に寄れば検察が証拠としてあげた数々の証拠が「捏造」と判定されて、それ以外の証拠では袴田さんは「無罪」という判断になるというような内容らしい。まだ確定ではないけれど、これで検察が上告しなければ、この地裁での無罪判決が確定して袴田さんの長い裁判も終結する訳だけれど、そのご苦労をなんと言って良いか。袴田さんが88歳、代理人として活動している姉のひで子さんは91歳。無罪が確定しても、これまで払ってきた代償は大きすぎますよね。
多分今回の件で、再び死刑制度の生むと冤罪に関しての議論が盛んになるのかな。これも微妙な話で、冤罪はどんな場合にもどんなに小さな犯罪でも生まれるべきでは無いけれど、かと言って今の裁判では加害者の会心を前提に、被害者の損害に比べて加害者側の刑罰は軽いと感じるものなので、そのアンバランスさにはいつも疑問を感じるところ。これという解決策が無い以上、今後もこういう矛盾を抱えながら、それでも最善の解決策を模索するしか無いのかな。一日でも早く判決が確定して、静かな生活に戻ることを祈るばかりです。
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