私はまだ見たことは無いのですが、実在する女性アナウンサーやテレビ番組の音声や画像を生成AIが加工をして、偽広告コンテンツとして公開しているというニュース。これまでも、生成AI技術を利用して、故人の音声や映像を創作したり、最近ではAIタレントのCMが流されるなど、少なくとも「画面」という限定された環境の中では、もう現実と創造の境界線は無いのかもしれない。
話はそれますが、最近タレントさんや俳優さんがCM出演している時に、ワイドショー等のインタビュー取材を受けている様子が放送されます。最近のそういうCM撮影場所でのメディアインタビューって、背景で使用しているグリーンバックとかブルーバックをそのまま撮しながら放送流すんですよね。だから、本来のCMが流れた時に背景が別の光景だったり、バックダンサーが多数踊っていたりしても、「あぁ、クロマキー合成なんだ」と舞台裏が分かってしまう。以前ならば、仮にそうであってもそう言う特殊技術を使用して居ると言うことは隠そうとしていたけれど、最近ではそういう合成だったりCGが普通に使われているから、逆に視聴者からしたら本物の映像とは想定せずに見ていると言う事なんだろうか。
今でも続いてる、サントリーBOSSのCMに、アメリカの俳優のトミーリージョーンズが出演した時に凄く話題になって、確か最初の頃は日本に来て実際に撮影していたと思うのだけれど、人気が出るとスケジュールの関係もあるのか、結構合成と分かる内容が増えてきました。昔の映画とか放送番組でも、一人二役の場合とかその手の合成映像は珍しく無かったけれど、昔の映像はいかにも合成していますという映像立ったけれど、今はデジタル合成で本当に素人が見る限りでは実写と何が違うのと言うレベル。ああ言うものが、人と技術と時間を掛ければ出来てしまうのだけれど、それだけのコストが抑止力になって悪用はそれ程されていなかったのが、今では生成AIで簡単に制作できる時代になったのだから、剃りゃぁ悪い事を考えている人達は利用するでしょうね。
複製したり改変しやすいので、NFT (Non-Fungible Token/非代替性トークン)みたいな技術が登場して、それ故に希少性から仮想通貨みたいな利益を生むような仕組みも出てくるんだろうけど、周りの映像に関してもそういう一種の「透かし」というかデータ信憑性の裏書き技術みたいなものを入れ込まないと、今後は混乱するようなこともあるかも。所謂「オレオレ詐欺」は、一番単純な成りすまし事案であり、生成AIの偽映像はさらに高度な成りすましであるけれど、映像の場合は現実であっても偽映像であっても、「テレビ/表示装置」という同じドット数で描画された映像になるわけですから、差分を見つけづらい。基本は一人一人の情報リテラシーをしっかり持つことなんだろうけど、技術革新や情報飽和状態で、ますます故人が対応するのは難しい時代になってきていることを実感します。興味深い分野だし技術的も知識欲が刺激されるけれど、如何せん内容が高度すぎてもう追いつけない(笑)。
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