佐々木俊尚氏のコラムから、上司は無駄な存在かと言う話。「クリエイティブな人に実力を発揮させる」というのは、一間理想的に思えるけれど、多分それが通用するのはその人が「匠」と言われるような、一人で完結している場合は、精々兄弟でとか夫婦でとか、身内や数名での作業でしかなり立たないような気がする。あくまで自分の経験からの考えですが、やはり自分のやりたいことで美味く回せる範囲と言うは、それ位の規模で無いと無理だと思うし、5名位までグループが広がると、どうしても某かの役割分担が発生して、他の人と重複する部分が生まれるか、全く誰も関わらない空白部分が生まれてしまい、その部分を調節するための「管理職」的な立場の人が必要になってくると思う。
そう言う意味では、自分的には「上司」とか「管理職」というよりは、そのグループなりチームでのリーダー、グループリーダーとかチームリーダーと呼ばれる存在が、多分5名位あたりを境界線にして必要になってくると思う。それが20人とか100人とかなると、小規模なグループが集まりチームになり、チームが複数あつまり組織になっていくような、三角形が積み上がるピラミッド構造は、どうしても必要なるし生まれてくる気がします。それを過去の考えとか無駄と考えて、全てフラットにした場合、よほど超人的な一人の社長、多分多くは創業者社長とか起業家と言われるような人がいれば、何とか回るだろうけど、それでも規模が大きくなるとそれも目が届かない部分や足りない部分はどうしても生まれてくると思う。
エンジニア集団にいると、例えば一番経験のある人がリーダーとリードエンジニアを兼ねるような場合も多いと思うけれど、どちらも二刀流で熟すというのは、かなり難しいと思う。結局そう言う人は、リーダー的な仕事は疎かになるか、逆に専門的な部分に手が回らなくなり、そのチームとしてのパフォーマンスも落ちてしまうと思う。少し前にProject Managementという事が流行、一応私もそう言う事を言っているけれど、PMとして全体の様子を見て調整作業や支援作業が中心に行動に専念するべきで、もし専門的な開発作業とか希望するなら、そちらに集中しないと無理だと思いますね。昔だと「プレイングマネージャー」と呼ばれる管理職の人も居たけれど、毎日残業しながら仕事をすることが「美徳」という時代だから成立していたわけで、今の時代だともうそう言う立場で仕事をしないといけない場合には、組織体の見直しとか、作業内容・工程の見直しをするべきだと思うなぁ。
何だかんだ言っても、多くの人は誰かに頼りたい存在だし、困った時には頼れる人が居ることが安心感につながり自分の活動にも余裕が生まれてくると思うんですよね。そうなると、上司・管理職は、さらに上位の頼れる人が必要になり、結局は会社や組織のトップは孤独な存在になってしまうのだけれど、多分そう言う人は同業者とか先輩とかに自分のロールモデルというか、精神的な支えみたいな物を求めて行くんじゃ無いだろうか。「匠」なんかの場合は一人狼的な専門職だけれど、それでも先代とか師匠という精神的な支えというか目標があるから、自分の中で上司と技術者みたいな二刀流の立場が成立しているのだと思う。自分も若い頃は専門職で技術で唯一の存在になりたいと思っていたけれど、結局は組織の中で活動する時には、一人では何も出来ないわけで、色々な形での繋がりは絶対必要。その時には、上下関係というか、頼り頼られる関係が無いと仕事も何も進まないわけで、そう言う意味での上司・先輩・管理職・リーダーという物は必須だなと実感しています。
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