2021年5月26日

メディアが感染源?

その開催の是非や開催するにしてもその方法が議論となっている東京オリ・パラ。選手や大会関係者に関しては、事前にワクチン接種をするし、ボランティア等に対しても先行してワクチン接種をすると言う話なので、大会参加者に関しては管理安全性が担保される事になります。海外から来日する選手、大会関係者も同様に、それぞれ自国でのワクチン接種をするだろうし、足りない分に関してはIOCがワクチンを入手して接種する事も言われています。さらに、選手・大会関係者は、基本選手村や特定の宿舎と試合会場の往復しか今回は出来ない事になっているから、ウイルスに羅漢するリスクも、拡散するリスクもかなり少ないと言えます。

ここで気になったのが、メデイア関係者の対応はどうなのか、ということ。東京オリ・パラ関係では10万人位の訪日が予想されていて、うち選手が1.5万人、大会関係者が5万人位、さらにメディア関係者が2万人位という内訳らしい(報道による違いあり)。その数万人規模のメディア関係者は、選手のようにワクチン接種が必須でも無いだろうし、宿泊場所、試合会場、メディアセンターと、あちこち移動するので感染のリスクも大きい。海外メディアだけでなく、国内のメディアも同様で、多分7月の時点でワクチン接種している人間は、年齢的な事を考えてもほとんどいないでしょう。そう言う人達が、多分数万人規模で試合会場とかあちこち移動するわけです。まぁ、今でもスポーツ関係含めて色々な番組制作やニュース制作をしていて、一時スタジオ収録番組でのクラスター発生はあったけれど、以降はそう言う事も無いので、メディア関係も感染対策には十分注意をしているのだろうけど、東京オリ・パラとなると、規模も違うだろうし、その状況も異なるわけですからね。特に今一番言われている、海外からの変異株を持ち込んでいるかもしれない、訪日メディアとそれなりに「密」に日々接触するわけですから。

そう言う状況を考えると、例えばメディア関係者の中でも、キャスターとか現場取材する記者とか、選手や大会関係者に接近する可能性のある人に関しては、6月とか遅くとも2回目の接種が開催前に終了するように、7月初めまでには接種開始する必要が有るはず。でも、メディア側からはそう言う声は聞こえてこない。まだ高齢者向けの接種が始まったばかりで、その進捗状況や対象者外の接種に対して批判合戦をしている立場上「自分達にも」とは言えないとは思うけれど、本当ならば一種の大会関係者とも言えるわけですよね。日頃メディアに厳しい自分ではありますが(笑)、論理的に考えるなら彼らも先行してワクチン接種を受けて、安全に大会運営できるように協力するべき立場だと思う。

そう言う意味では、現在国内で開催されている例えばプロ野球とかサッカーとか先日リーグ戦が終了したラグビーとか、結果的に訪日観戦者が消えた東京オリ・パラ規模のスポーツイベントは、日々開催されているわけです。プロ野球では広島東洋カープでクラスターが発生したけれど、まぁここまで大きなトラブル無く国内のスポーツイベントは開催されています。無観客なら勿論、有観客開催であっても、数万人規模の観客を入れて開催しているわけで、それは今想定されている東京オリ・パラの有観客開催とそんなに違わないと思うんですよね。決して楽観論を言うのでは無いけれど、国内的にも国外的にもワクチン接種を前提として、そう言う人達が競技運営に参加するのであれば、さらにリスクは低減されるでしょう。そこで盲点になりそうなのは、そこから外れているメディア関係者の対応だと思うんですよね。新聞各社は、オフィシャルパートナー、オフィシャルサポーターとして協賛しているわけで、それは単に東京オリンピックの場を活用するだけで無く、大会開催の責任者の一人として「いかに安全、安心に大会運営するか」という責任もあるはず。その一つとして、本当は彼らも自社のスタッフの先行接種を言うべきだと思うけれど、開催反対を主張する記事も掲載しているだけに、言い出せないのは自業自得と言ってしまうと酷か。でもね、本当に東京オリ・パラの事を考えるなら、また開催中止が決定していない以上は、例えば大規模接種会場でのキャンセル待ちに加わるとか、批判されるだろうけれど「メディアとしての責任」としてちゃんと対策はするべきだと思う。でも、表向きには「開催反対」などと社会に媚びるようなポーズを取りつつ、一方ではスポンサー・サポーターとしてオリンピックの開催利益を得ようとしている、相反する態度ってメディアの矜持としてどうなの? 凄く疑問を感じる。

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