2017年2月22日

新たな危険

ASKULの埼玉物流センターの火事で、なかなか消火活動が進まない原因の一つに、屋上に大量に設置された太陽光発電パネルがあるという話を聞いてびっくり。パネル自体は光が当たれば発電をしているので、そこ奏でているケーブル等が水に触れれば、当然通電して感電する危険が有る事や、ショートすることで漏電出火の危険も生まれるという事。確かに、太陽光パネルからはパネルが隠されない限り発電は続くわけで、これだけの規模の工場となればかなりの電力が火災の有無にはかかわらず流れているはず。その危険を回避するために、消火作業も屋上からの放水を避けて、側面からの放水に限定したので、なかなか鎮火できない理由でもあったとのこと。これって、最近の新築の住宅でも同じような問題が生まれるのでは。

住宅の場合は、それなりに採光のために窓なども大きく取るだろうから、今回ほどの深刻さは無いかもしれないけれど、それでも火事で屋上のパネルからのケーブルが断線したりすれば、そこから感電する危険もあるわけで、消火活動が制限されることは確実。さらに、太陽光発電を蓄電するパワーユニットなどを併用している場合、ここに水がかかるのも問題では。外部に置いてあるから、通常の防水処理はしているだろうけど、消火活動中に破損する可能性もあるだろうし、ここから漏電する場合も有るだろうし、中のセルが何らかの理由で水と接触すると爆発する可能性もあるだろうし。

昔、自宅の周りはまだ都市ガスが配管されていなくて、ほとんどの住宅ではプロパンガスを利用していました。だから、仮に火事になった場合、このガスボンベが熱で爆発する可能性があって、これが凄く危険という話は何度も聞いたものです。プロパンガスの場合は、爆発する危険性だから、逆にそこに集中して放水するなどして回避策をとることも可能。一方で今回の太陽光発電パネルは、そこに水を掛けちゃいけないから、本来の目的で有る消火活動自体に制限が生まれて、被害が拡大するばかり。また、消火後にもパネルが生きていればそこから通電している可能性があるから、火が消えたからと言って安心出来ない、まさにブービートラップ見たいな存在になってしまう。将来的には、パネル部分で送電ケーブルを断線させてパネルから外には通電させないような仕組みとか作られるんだろうけど、なかなか難しそうですね。後動作したら、問題無くても発電できなくなってしまうわけだし、仮にそういう仕組みを入れても、実際に使われるかどうか分からないし。

それでも、一般の家屋ならまだ危険度は低いだろうけど、今回の様に大規模な事業所で設置している場合には、何か対策が必要になりそうですね。あと、屋外に設置しているパネルにしても、普通の雨風の天候に対しては対策しているんだろうけど、大雨になった場合とか、場所によっては洪水とかの被害が有った場合には、同じように感電する危険性が生まれるかも。遊休地対策として一時期太陽光パネル設置がもてはやされたけれど、新たな危険性を認識しないといけないのかも。

0 件のコメント:

コメントを投稿