2016年6月17日

イチローの記録

昨日の試合で、マーリンズのイチローが対パドレス戦で2本のヒットを打ち、日米通算安打数で4257本を記録。米国メジャーリーグのピートローズ氏の4256本を上回る安打数を記録しました。勿論、シアトル時代のイチローの試合は何度か観戦しに行ったことがあるし、42歳で現役のメジャーリーガーとして活躍する、そのスポーツマンとしての素質は素晴らしいと思うけれど、ちょっと回りが騒ぎすぎな気もします。

自分の記録が、数字的には更新されたピートローズ氏が、辛口なコメントを続けるのは分かる気がします。本数的には同一だけれど、そのうちの1/3近くは日本の試合で記録されたもので、確かに単純に比較できるものでは無いですし。少し前に、名球会の入会ルールで、米国でのヒット数・勝ち数も含むようになったけれど、日本球界が例えば「生涯最多安打数」として、このイチローの日米通算安打数を日本の記録として保存する分には、多分誰も文句は言わないでしょうね。やはり、それが逆の立場になるから、メジャーリーグの中にも「それはちょっと」と思う人がいるでしょう。以前もちょっと書いたけれど、イチロー自身はやはりメジャーの記録はメジャーでプレーした間のものを評価して欲しいのでは。王貞治氏のホームラン数世界記録(868本)も、偉大な記録だとは思うけれど、こちらの方が球場のサイズにも依存するから逆にアメリカでの評価は低いんじゃないだろうか。勿論、王さん自身は誰からでも尊敬される人だろうけど、記録に対しての視点で言えば、ホームランが出やすい球場というのは日本の方が多い気がする。少なくともヒットが定義される、内野のサイズは、日米同じですからね。そういう意味で、イチローのヒット数記録というのは、ホームラン記録よりも日米の差が少ない物だと思います。

王さんと違って、アメリカのメジャーでも長く活躍していることもあって、今回はアメリカでもイチローに好意的な評価が多い気がします。勿論、王さんが現役の頃は、まだ日本の野球が下に見られていた時代だし、日本人もメジャーで活躍する時代でもなかったから、彼らとしても日本球界は評価以前の存在だったかもしれないし。

イチロー本人にしても、試合後のインタビューとか聞いていると、今回の記録も、間近になったメジャーでの3000本安打にしても、まだまだ通過点と思っているようで、流石にメジャーでの4000本安打は厳しいだろうけど、3000本に何処まで上乗せできるかが、これからの興味でしょうね。メジャーだけで3000本安打を打つと、歴代30位以上になります。20傑に入るには3100本、10傑入りには3320本位が目標になりますが、前者はかなり可能性は高いとしても、後者を達成するには少なくともあと2年は必要そうで、ちょっと厳しいかも。なんせ、本人に力があっても、チーム構想として契約してくれる球団がなければプレーできませんからね。仮に、そこから日本に戻ってきて十分にプレーできる力が残っていたとしても、多分イチローは日本ではプレーしないだろうなぁ。野球に関しては、メジャーでの道が消えたところで、スパッと引退するんじゃないだろうか。そこで気になるのは、その後のイチローですが、一寸想像が付かない。正直、監督とかコーチという雰囲気でもないし。まぁ、そんな先のことの心配よりは、まずは次のメジャー3000本達成を期待しなきゃいけないんでしょうね、ファンとしては。

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