2016年5月6日

デジタルアーカイブ

PCWatch、山田祥平氏のコラムから、災害に備えてのデジタルアーカイブに関して。今回の熊本・大分の地震だけで無く、それこそ近くで火災が発生したり、あるいは何かトラブルが発生したような場合、トラブルによって失う物も多いけれど、その経験は色々なことを教えてくれます。その中でも、例えば壊れた車を買い換えるとか、電化製品を買い直すような、多少のコストは発生しても元の状態に近い物が回復できる場合は、まだ良いのですが、例えば昔からのアルバムや写真が喪失したとか、このコラムで書かれているようなデータを入れていたメディアやパソコンが破壊・喪失してデータが消えてしまった場合には打つ手がありません。

コラムにもあるように、最近ではオンラインストレージやクラウドバックアップの機能やサービスが提供されているので、そういうものを非常時データ保管場所として利用していくのは一つの方法。多くの人にとって既存のサービスは必要十分でしょうけど、自分のように写真データとかその他のデータで何TBなんていうデータを保管していると、今の時点ではそれだけのデータ保管が可能なサービスすらほとんど無い。容量的に満足出来るサービスであっても、利用金額がとても高くて、個人で利用出来る範囲じゃ無いですからね。ですから、ローカルで大容量HDDとかに保管しておくしかない。

今のところ、3TB位の3.5"インチHDDが一番容量当たりの単価が安いと思うのですが、当然ながら長期間保管しておける保証はありません。私も、本当に一年とか二年に一回くらいは通電してデータアクセスをして使えることを確認をしているけれど、いつかはその通電した瞬間に昇天してしまうんだろうなぁと覚悟しつつ毎回トライしています。だからどうしても必要なデータは複数のメディアにコピーしてあり、それがまたローカルストレージの容量を増やしている原因にもなっているという矛盾。

もう一つは、HDDの場合は今のところSATA-USB 3.0のアダプターがあるので、3.5"でも2.5"でも共通して利用出来ますが、例えばBlu-rayに焼いたとしたら、そのドライブが必要になり、さらに設備を増やさないといけない。例えば、手持ちのデジカメはSDメモリーを使用しますが、今のメインマシン(ThinkPad X1 Carbon (2015))にはSDメモリースロットが無いので、カードリーダーを持ち歩かないとデータの吸い出しすら出来ない。それでも、今使っているデジカメはWi-Fi機能付きで、P2Pでデータ転送が出来るらしいのだけれど、全てのデジタル機器がそうなるのはまだまだ先のことでしょう。そうすると、例えばローカルにデータを保存する場合でも、どの様なメディアにまとめるかで、将来的に利用出来なくなる可能性も出てきます。ほんの20年位前だと、大容量データを渡すメディアと言えばMO(640MB)が標準でした。でも、いまMOの読み書きが出来るドライブって、多分凄く限定されるでしょう。さらにその後は、ケースに入ったDVD-RAMが登場して、4.5GBなんていう大容量が埋まるときがくるのかなんて言うことも想像したんですが、今では1ファイルでそれ位のサイズがあったりします。

ローカルでデータ保存する場合、どうしてもデータが入っている「メディア」がゲーティングなりますが、クラウドアーカイブだとデータ本体を直接取り出せるから、利便性ではクラウドに軍配が上がるけれど、保存容量や取り回しの落差ではローカル似合った方が楽という判断も生まれます。技術の進歩で、何とかあと10年位で簡単にTB単位のデータを保存利用出来る使い勝手の良い記録装置が登場してくれないと、困りますね。勿論、その前に噂される東海地震とか発生したら、全部無くなってしまうから、それはそれで諦めもつくかもしれないけれど、それはそれで寂しいし。いつもは考えるだけ終わってしまうデジタルアーカイブを、ちょっと真剣に考えないと。

0 件のコメント:

コメントを投稿