2016年4月13日

サインで取引

三井住友銀行が始める、印鑑の代わりに予め登録された個人の署名(サイン)で代用するというもの。日本ではなかなか画期的なサービス。記事にも一寸書かれているけれど、署名って別にその書かれた署名が一致するかどうかが認証の基準じゃ無いんですよね。書く時の文字の流れ方とか、はねとか止めとかカーブの特徴とか、さらには筆圧の係具合とか、そういう特徴が一致するかどうかで、その署名が正しい(本人のもの)かどうか判断するもの。日本の印鑑が、オリジナルの印章との同一性を比較して判断するのに対して、署名は書体自体の比較では無いんですよね。だから、印鑑は元の印章と同じで無いと偽物と判断されるけれど、署名では逆に元の書体と一致するとそれはコピーだから偽物と判断される。署名では、同じものはゼッタイ存在しないと言う前提で判断されているのが、面白い。言ってみれば、その署名の特徴を比較するから、DNA検査みたいなものとも言えるのでは。

私が仕事で海外出張をするようになった30年近く前は、まだ漢字での署名が一般的では無くて、海外のお店などでカードを使う時には跳ねられる場合も有りました。だから、ローマ字表記の自分の名前を崩して書きやすいのだけれど、それっぽい形になるように、実は初出張前の数日はサインの練習をしていました(笑)。でも、最初の頃は随分書き方もぎこちなかったし、見た目も「これ、ゼッタイ偽造だろ」と思うくらい違っていたし。少し前にパスポート更新に行った時には、署名をこれまでのローマ字系のもので書いたら、係員の女性に「漢字では書かれないのですか」とか聞かれて、初めてパスポートを作ったのは30年前で、その時に漢字よりはローマ字の書体の方が良いと言われて今の署名を決めて、以後ずっと使用していると説明すると、「ここが〇でこちらが×で、そしてここが□で△になるんですね」といちいち私の名前と付き合わせて確認して、結構面倒でした。漢字を草書風にささっと書く時、横書きだと書きにくいんですよね。縦書きで書く時は良いけれど。やはり、あれって日本の伝統を受け継いでいるものだなと思う。

多分、元の印鑑も同様に使用出来るとは思うんですが、そうなると印鑑が盗まれた時には、その時にはどちらが優先するんだろうか。まぁ、その辺もちゃんと手続きは考えられているとは思うけれど。生体認証とは別に、こういう固有識別技術が普及すると便利になるなぁ。

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