2016年2月10日

書く時計

今朝のCX系朝の情報番組「とくダネ!」を見ていたら紹介されていた「書く時計」。これは、記事にも掲載されているTwitterの動画を先ず見るべきだけれど、この発想は無かった。冷静に考えれば、多分カムを利用して、数字を書く機構を作り、それを時刻表示するために4個並べて、後はそれを駆動する時計部分を作る、と言うだけなら簡単だけどそれを実際に作るとなると大変。番組の中で紹介されていたけれど、実際に作り始めたのは昨年の10月頃から。設計も製作も全て自ら行い、ここまで出来たのは凄い。ただ、動力なる重りの長さの関係で数分くらいしか今は動作しないようですが、改良中とのことで完成形が楽しみ。

時計の全体像を見ていると、まさに昔の「お茶くみロボット」とかの、昔の日本の技術を昇華させた感じ。今ではモーターもあるし、いろいろなカムや歯車もあるからかなり自由度の大きな動作をさせることが出来るけれど、この「書く時計」の場合は水平方向の移動を以下にスムースに行わせるのかが肝なんだろうな。書かれた数字が凄く自然な感じですから。

最初にも書いたように、この自然な書き味を生むのは、腕木の部分を動作させるカムの形状だと思うんですが、そういう技術データを今度はデジタルデータに変換してモーター駆動に応用出来れば、義手とか義足を滑らかに動かすヒントになるかもしれない。そういう水平展開が出来れば、凄くみんなにとって有用だなと思います。素晴らしい発明は多くの失敗の中から生まれるわけで、その「失敗」というのはある意味大きな「無駄」の中から出てくるもの。無駄を無駄と思ってしまったら、そこからの前進は無いかもしれないけれど、無駄を大きな試行錯誤と思って続けられる気持ちだったり心意気だったりが、将来の成功に結びつくんだろうなあ。勿論、無駄なことだけをさせてくれるほど今の世の中は甘くないので、「無駄」な事はやっているんだけど、それを「無駄」と回りに思わせない事も重要。エンジニアと言えども、そういうプレゼンテーションスキルも身につけないと。そういう意味で、この「書く時計」は、インパクトもあるし、将来性も感じられるし、一つの「作品」として未完ながらも可能性を感じさせるところが凄く良いですよね。この才能を、是非どんどん延ばして欲しいなぁ。凄いロボットとか補助機構を作りそうな気がする。

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