BusinessMedia誠に掲載された、首記タイトルのインタビュー記事。インタビュー相手は、最近富みに露出度が増えている気がする(笑)、元TBSアナウンサーでアサヒビールシルバースターオフェンスコーディネーターでもある有馬隼人氏。NFLのドラフトに関しての話題ですが、ある程度NFLに馴染みのある人にとっては驚く話では無いけれど、日本のプロ野球とも違うし、米国MLBとも違うドラフトの仕組みが、現在放映中の映画「ドラフト・デイ」で描かれるような丁々発止の世界であるし、興味深いからでしょうね。
NFLは、色々なビジネスモデルのお手本の塊のような組織で、ドラフト制度にしても、兎に角所属チーム(現在は30チーム)間で戦力が均衡することにより、競り合いや均衡する試合が増える事で、ファンが飽きずに興味を維持してくれることを目的にしています。前年の成績の下位チームからドラフトする完全ウェーバー方式は、その最たるものですが、さらに面白いのが、そのドラフト権をトレードすることでさらに有利な条件を手にしたり、短期目的の選手獲得、中長期目的の選手獲得など、画一的な補強にならないような仕組みも許していること。映画の中では、その選択権のやり取りが描かれるわけですが、この辺りは非常に面白い考え方だと思います。
もう一つこのドラフトシステムで個人的に面白いと感じているのが、選手側の意識です。日本では、NFLのドラフトシステム自体は今回のように話題になるけれど、この選手側の意識が取り上げられるところは殆ど観たことがないのですが、日本のプロ野球のドラフトと事なり、NFLの場合は氏名されたら基本的にそのチームに入るんですよね。事前にネゴシエーションしているのかもしれないし、仮にそこで氏名を断った場合に受け皿になる仕組みが無いのかもしれないけれど、大学でハイズマントロフィーを受賞したような選手が、前年最下位とか、万年下位に低迷しているチームでも一位指名されて嬉しそうに入るわけです。多分、日本のプロ野球の優勝争いするチームと万年会に低迷するチーム程戦力差が無いと言うこともあるんだろうけど、戦力的な均衡が毎年図られるから、その時の状況がそのまま続くわけでは無いと言うことと、その気になれば他のチームに移籍することも比較的簡単なので、場合によっては実力さえあればやり直しも出来るという考えが選手側にもあるんじゃ無いだろうか。
そのスポーツを面白くしようとすれば、毎試合毎試合手に汗握る接戦が続くことが一番なのは、どのスポーツでも同じ。その為には、出来るだけ戦力の均衡を図り、特定のチームに優秀な選手が集まらない様にすると共に、どのチームも工夫次第で良い選手や良いスタッフを集められるような仕組みにしないといけません。単に新人選手のドラフトだけで無く、そう言う仕組み、とに選択される選手側の意識の違いというのも、今のNFLビジネスを支えて発展させている大きな要因じゃ無いかと思うわけです。それを忘れると、ちょっとNFLの仕組みを見誤るかな、と。
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