2014年12月15日

メディアの仕事

今回の衆議院選、一夜明けて結果を報道するメディア各社の見出しが面白い。

  • 政権寄りの、読売新聞は「自公が圧勝325議席」、産経新聞は「自公3分の2越 圧勝」と「圧勝」を入れて勝利を強調
  • 政権に批判的な毎日新聞は「自民横ばい291議席、自公3分の2維持」と、現在の体制が良くも悪くも変わらないことを暗に強調。日本経済新聞も「自公勝利、3分の2維持」と同様の論調。東京新聞(中日新聞)も「自公3分の2維持」と、横ばいを強調することで決して還元されていないという事を暗に強調している雰囲気。
  • で、意外だったが朝日新聞。当然、毎日新聞みたいな見出しをつけるかと思いきや、「自公大勝、3分の2維持」と「大勝」と入れている。本来なら、「自公、3分の2維持」と言う感じの論調だと思うのに、これは意外

とは言っても、こういう場合には「少数の意見も」と言う言い方をするわけですよね。民主党が大勝した時には「これが民意」と言っていたのに。都合良く、少数意見とかマイノリティーと言う言い方もするし、多数の民意が民主主義という言い方もするし。基本的には、多数決が民主主義の基本的な決定方法の一つなので、これはこれで「民意」判断して政治は進むべき。メディアとしても、自社の方向性なり論調を展開するのは自由だけど、ねじ曲げたような意見は止めて欲しい。

メディアと言えば、今回の解散直後は「議席を減らしても過半数維持できれば勝利」みたいな、かなり後退した予想を掲げていたのに、途中から今度は自民党が単独過半数どころか300議席を超えてくるような状況とみるや、一斉にその旨を報道しだし、結果的にはそれが多分引き金になり揺り戻しが生まれて、それでもここまで戻ってきたんじゃ無いかと。いつも疑問だったのは、聞き取り値様さとか独自調査で事前の当落予想をメデイアは掲載しているけれど、あれって選挙妨害にならないのだろうか。当落予想だけで無く、優劣の報道スラも有権者の投票行動に影響するだろうから、あれは拙い気がします。選挙期間中は、その人の主張のみ取り上げて報道するべきで、だから優勢とか劣勢とかいうのは、特定候補者の利益(プラスにもマイナスにも)提供になる気がします。

でも、そうなると「政治評論家」とか「政治記者」みたいな人達の仕事が無くなってしまうわけですが、でも彼らの仕事って、選挙で当落を予想することなのだろうか。選挙中であっても、その人との公約なりそれまでの活動実績から考えられる方向性や矛盾点を追求するのが、そう言う人達の仕事では無いだろうか。前職、元職なら、過去の活動の内容や実績を、新人ならその人のそれまでの社会活動の紹介や実績とか。

所で、最初に「大勝」の有無なんですが、何を持って判断するかというのが重要で、そう言う意味では与党での過半数は勿論、絶対安定多数を獲得した今回の選挙は「大勝」と呼ぶべきでは。あるいは、「完勝」とでも言う方が的確だろうか。「現状維持」というのならば、「現状維持する完勝」というのが正しい言い方では。そう言う意味では、議席を延ばした民主党も「大勝」と言って上げるべきなのに(をぃ)。御用メディアになる必要は無いし、でも反体制一食でも困る。多少のぶれはあっても、硬軟バランス良く事実を報じて有権者の判断材料を提供するのが、メディアの役割のはず。そう言う観点から見ていると、今回の選挙は論点が余り無かったことも有り、結局は人気投票の片棒を担いだだけみたいな印象でしたね。

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