2014年5月24日

フットボールの普及 (2)

再び47News、プロカメラマン・小座野容斉氏のコラムから。コラムの中では、Xリーグ内チームの状況を示しつつ、勝ち組だけが残るのでは無く、NFLのように機会均衡策等を取り入れて裾野を広げていく努力の必要性を書かれています。NFLとXリーグを比較するのはちょっと無理があると思いつつ、その主張されるところは同意できる部分も多くあります。ただ個人的には、NFLよりはUSのカレッジフットボールをお手本にベンチマークしたらどうだろうと思うんですよね。

一つ目は、NFLはドラフト制度があり、前年度の成績下位チームから優先権が与えられるわけですが、そう言う仕組みは今のXリーグには無い事。チームや個人の伝を頼ってのリクルーティング中心のXリーグは、やはりカレッジフットボールが近い気がします。

二つ目は、オーナー制度で運営されるNFLに対して、自ら試合やイベントでビジネスモデルを構築するカレッジフットボールの方が、やはり今のXリーグ事情に近いのでは無いかということ。とは言っても、日本の大学スポーツと比べても一桁二桁くらい異なる規模のスポーツビジネスを回しているUSカレッジと日本のXリーグでは、さらにもう一桁位違いがあるわけで、そのまま真似すればいいというわけでもないですけどね。

三つ目としては、フットボールだけに特化したNFLとは事なり、カレッジスポーツではその大学のスポーツチーム全体をマネージしているから。さらに、大学というのはその土地のランドマークの一つでもあるので、フランチャイズ的な意味合いも強いと思います。大学では無いけれど、その地域で相互協力できるスポーツ団体同士まとまり、例えば備品購入とか運営サポートとかイベント共催とか、これまで以上に注目度が上がるんじゃ無いだろうか。

一番重要なことは、コラムの最後でも触れられているけれど「チームの存在する地域に溶け込む」事でしょうね。USのメジャースポーツや欧州のサッカーなど、フランチャイズ制と言う物を上手く使っているなと感じます。マイナス点としては、どうしても大都市に集中しがちなのかもしれないけれど、幸か不幸か日本のスポーツ団体の規模はそこまで大きくないから、人口何百万人なんていう規模の都市でなくても活動可能でしょう。逆にそれくらいの規模でないと、複数の団体が協力して、スポーツ振興とか健康増進みたいな活動をやろうとしても手が回りませんしね。

それと、同じ地域に存在する大学チームとの連携ももっと考えた方が良いんじゃ無いだろうか。大学一部の学校であれば、支援体制も整っているだろうけど、一部でも回のチーム(BIG 8)や2部以下の学校では、コーチも学生コーチが精々とか、練習方法とか、いろいろ足りない物も多いはず。そう言う大学への支援を通じて、Xリーグのチームもリクルートのパスが見つかったり、あるいは人材発掘にも繋がるだろうし。今でも熱心な大学やXリーグチームは相互に交流しているかもしれないけれど、少なくとも春のシーズン中とか夏の間などは、何か交流するような機会を作れないだろうか。いろいろ課題はあるとは思うけれど、大学の底上げができれば、その分Xリーグの底上げにも繋がるわけですし。勿論、さらにその先を見て、高校生チームとの協力、タッチフットやフラッグフットチームとの協業も長い目で続けないといけませんけどね。

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