2014年3月14日

STAP細胞論文の不思議

STAP細胞の論文の話を数日前に書いたんですが、なんか想像以上に基本的な部分が欠落しているようで、一寸個人的に幻滅しつつあります。内容に関しては、専門外なので言及しないけれど、最初の背景説明の部分がNIHに登録されている別論文からのコピーに等しいというのはちょっとなぁ。それ以上に凄く疑問なのが、引用の脚注と本文とで不一致だということ。会社の論文発表などで自分も論文を書くときもあるし、査読する場合も有りますが、先ずは一番基本的な核に作業として、引用・参照部分が正しく脚注で本来の情報に言及されているか、というのは外出するのに靴を履いていますね、と確認するくらい当然というか無意識にやるもののはず。例えば参照番号が違っていると言う基本的なミスから、参照先の情報が違っているとか、それくらいは内容の理解以前にするべき作業のはずなんですよね。論文記述にはいろいろとお作法がありますが、その中でも一番基本中の基本で有り、極端な話どんなに内容が素晴らしいものであっても、先ずはそこで書き直しを命じられるレベルの話のはずなんですよね。

それなりの組織で、それなりの能力のある人達が執筆しているはずなのに、何でそんな単純なことを見逃したのか、あるいは許したのか、凄く不思議です。ジャケット・ネクタイ着用必須のレストランで、ランニングに短パンサンダルで食事をしている人を見るくらいの違和感を感じる話です。

ただし、そう言う基本的なルールを逸脱している部分はあるにしても、一番気になるのは「STAP細胞なるものは、本当に実在するのか否か」という点であることは事実。昨日の朝の番組で説明していた例えが凄く分かりやすかったんですが、植物が接ぎ木で成長するようなことが、このSTAP細胞が可能なれば人間でも可能になる、と言うくらい凄いらしい。で、昔からその可能性の研究ってやられていたとも。だから、論文の内容に関して疑義があることは事実なんだけれど、もし本当に小保方さんが何らかの方法で実験に成功していたのであれば、先ずはその再現手段を確立することが重要と言う説明をしていて、それは納得できる話です。小保方さんには、色々とプレッシャーは大きいだろうけど、まずは自分の発見の正しさを確認して公表し、その上で自分達の不手際を釈明して、今回は誰からも文句の出ない論文を準備して欲しいですよね。

iPS細胞とSTAP細胞の基本技術が日本で確立して、そこからそれらの技術から得られる利益が世界に還元されるのであれば、今隣の国がわいわい行っているような話にしても、多分それ以外の国では払拭されて相手にされなくなるような気がする。そう言う意味でも、彼女にはもう一度ゼロから自分の理論を再検証して、実現して欲しいなと思います。

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