2014年2月21日

噛む行為

オリンピックやその他の大会などで、メダルを噛む行為を戒める話。NTVのドラマとかフォアグラとは別の話だと思うんだけど、「クレーマー」という観点で一緒くたにしちゃうと話がややこしくなるだけですよね。

まず根本的な話として、「自分の大切なものを噛む」という行為が、どう言う意味を持つのかよく分からない。例えば「大切なものに頬ずりする」というなら分かります。欲しくてたまらなかったものに対する、ある種の「求愛行為」とでも言えば良いのか、良い悪いはあるだろうけど、昔からある行為。毛皮とか高級な着物なんかだとまだ良いけれど、メダルとか貴金属なんかだと頬が痛くなりそうだけど。赤ちゃんに頬ずりする、なんて言うのもありますよね。

で、「噛んで示す行為」って有るんだろうか。ある性癖ならあるかもしれないけれど、普通は思いつかない。動物なんかだと、親が子供を甘噛みしてかわいがるという光景はあるけれど、人間が何かを甘噛みするというのはちょっと思いつかない。で、「ものを噛む」という行為で思いつくのが、昔良く時代劇で搭乗した「偽物の小判かどうかを確認するために噛んでみる」という光景。金ならそれなりの硬度があるから硬いけれど、偽物は重いけれど柔らかい鉛に金メッキするだけだから、噛むと歯形がつくから「噛んで確かめる」わけですよね。だから、金メダルを噛んでみて傷がつかなければ本物、ということから来たのだろうけど、でもあれだって純金じゃ無いから変に噛みつくと歯形がつきそうなんだけど。

海外の選手が始めたという話もあるけれど、少なくとも日本人としてみると自分の獲得したメダルの真贋を試している、としか見えない光景なんですよね。だから、ああいう光景をテレビで見ると、あぁなんか大会関係者を信用していないんだなといつも感じてしまう。

自分の獲得したメダルだから自由にしても良い、と言うのも一つの意見だし正しいと思うけれど、それを大衆の面前でしかも全国的に放送されている前でやる以上は、自ずと「見苦しくない行為」というような範囲に限定されるんじゃないだろうか。その前提であれば、「大切なものに噛みつく」という普段はやらないような行為を見せて、それを見た人が喜ぶというのはどうだろう。メダルに頬ずりするのは分かる。キスするのも理解出来る。でも、舐めてみたり噛むのは理解できないですね。本物かどうか確かめたいなら、控え室とか誰も居ない場所で確認するのがマナーだろうし、逆にそう言う行為を要求するメディアっていうのもレベルが低いなと思ってしまう。

今はファースフードも一般的だし、食べ歩きなんていうのもマナーの問題はあるけれど見かける行為になったから、食べ物にかぶり付く・噛みつくというのは、まぁ許される行為なのかもしれない。それでも、公衆の面前で肉とかハンバーガーとかを噛みつくように食べるというのは、みっともないだけで主観的にも客観的にも「良い行為」とは思えません。ましてや、食べ物でも無い金属の塊に噛みつくというのは、少なくともそれ以下の行為で有り、優れた行為にはならないと思うんですけどね。たまたま、何か切っ掛けで始まった行為なんだろうけど、冷静に考えて悪いことは悪いと言わなきゃ。

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