2013年12月19日

鵜飼い構造

良く「鵜飼い」に例えられる、日本と韓国の産業構造の話。実際、日本の素材や製造用機器は、韓国だけで無く世界中で利用されていて大きなシェアを持っている物も少なくありません。韓国の依存度がどのくらいなのかデータは分からないけれど、地勢的なものとか、今の優良企業の多くが日本の同種の企業からの提携やサポートを得て大きくなってきたことを考えると、他の国と比較して依存度は他国の中という想像は出来ます。

ただ、例えば自動車製造に必要な高品質の鋼板はボスコでも作っていて、逆に日本にも低価格製品として輸出してきているし、最近では自動車の部品を日本のメーカーに売り込むために名古屋に拠点を作ったりと、成長してきていることも事実。日本メーカーがほぼ独占していると言って良いカメラの市場にもSamsungが製品をだしてきたりしていますし、決してこの記事に書かれている「鵜飼いの鵜匠」として安閑としていられる立場でも無くなりつつあるようにも感じます。

それに、日本の中小企業が優秀とは言え、やはり汎用製品とか大量生産物となると、中国の進出が今後も大きくなるでしょう。韓国が日本からの素材や部品輸入を中国に切り替えるというのは、結構直ぐに生まれそうなシナリオのような気がします。どちらかというと、中国の方が怖いですよね。玉石混淆ではあるけれど、その玉の部分の品質や機能はどんどんアップしているのも確かですから。日本製品が99.99%高品質であり、中国製品が10%位が高品質であったとしても、製造する量が中国の方が桁違いですから、10%のさらに上澄みをとれば、もしかしたら日本以上のものも生まれてくるかもしれない。

自分の仕事でもそうですけど、ある程度達成した、到達したと思ったら、その仕事はもう次からは無いものと思わないといけません。直ぐにそのレベルの物をもっと安く提供するライバルが生まれますから。だから、さらに高品質の物、低価格の物、多機能な物という、付加価値向上と言う事を常に意識して進まないといけない。ある意味、製品向上の自転車操業みたいな事をやらないと、個人の技術者としても、組織としても、会社としても生き残れない。その競争の中には、当然脱落する人や組織もあるわけで、そう言ったことも現実として受け止めて進めないといけないところに、世の中の厳しさがありますよね。ただ、脱落したらその分が自分の利益になるかというとそれも違うわけで、さらに新しいライバルが突然登場したりして、逆に自分が厳しい立場に追い込まれたりする。そう言うことを理解して、鵜匠だからと安心していると突然ひっくり返されることになるんでしょうね。そう言う危機感は常に持っていないといけないと思う。

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