2013年3月7日

さっぽろ雪まつり

さっぽろ雪まつりで、伊勢神宮の接続を自衛隊が製作するのは憲法違反じゃ無いか、という記事。凄く個人的にこの筆者が嫌らしいと思うのが、最初の部分で引用している、憲法89条の条文。

「憲法八九条は「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため(中略)これを支出し、又はその利用に供してはならない」と政教分離を定めている。」

この「(中略)」がくせ者ですよね。それに最後の「政教分離を定めている。」も、ミスリードを誘うような嫌らしい書き方ですよね。ここでは、公の財産の使用・便宜供与についての話なんだから、宗教の自由に対しての政治的な圧力や優遇とは、また違った意味のはずなんだけど。

で、中略無しの全文を見てみると。

公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

強調部分が「中略」されていたところですが、要するに公の財産を特定の宗教組織・団体に使うことは駄目だけど、公の支配に属しないイベント・事業に対しては認められる場合も有る、と言う事。勿論、この「さっぽろ雪まつり」が、その範疇に入るかどうかは、また確認は必要ですけどね。で、仮に、その支出に疑問があるとしても、このジャーナリストが責めるべきは雪祭りの主催者であり、そこから作業依頼を受けて設営作業をしている自衛隊に結びつけるのはお門違いでしょう。自衛隊が、自ら雪祭り参加希望を出し、そのテーマとして伊勢神宮を設定して、かつお金をもらいながら製作した、というなら問題だと思うけれど。

で、「嫌らしい」と書いたのは、仮に、この公金支出を問題として提示するなら、筆者が中略した部分にまずは注目すべきでは無いのか、ということ。この「さっぽろ雪まつり」が、「慈善、教育もしくは博愛の事業」なら問題無いわけですからね。でも、そこを言わずに、前半部分の「宗教」というところにフォーカスして、それを強調している文章が、何か胡散臭さを感じさせます。そう、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」みたいな。今年は、伊勢神宮の20年に一度の「式年遷宮」の年ということもあり、その観光アピールも兼ねてのこの雪像展示なのかもしれないけれど、それならそう言う宗教儀式と公のイベントの関係を問えば良いのであって、そこに自衛隊を絡めてくるのは、実は別の意図があるんじゃ無いのという思いの方が強くなる記事です。

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