2012年3月23日

テレビの時代

地デジ8チャンネルを最長8日間分録画できる、バファローの「ゼン録」。2TBのうち、1.7TBを録画に回すので、録画するチャンネル数を減らせば、録画時間を伸ばすことも可能ということで、10万円を切る価格もあり、ちょっとそそられる製品。これは外付け装置だけど、こういう機能をもっと早くテレビに内蔵すれば、こんな事にもならなかったんじゃないかと思うんですよね。

今のテレビは、地デジ、BSデジタルで高画質化が一段落して、さらにエコポイントも終了し、そしてアナログも停波し、正直「売り文句」が無い状態。さらに、テレビの場合、表示するものは「放送」という勝手に売り手や製造主が変更したりすることが出来ないものが、製品の根幹にあるんですよね。勿論、地デジ、BS、CSと、チューナーは増えるけれど、だからといって直ぐに視聴できるものは無料放送だけですし。勿論、外付け(内蔵製品もあるけど)のDVD/BDを付けたりすれば、レンタルソフトを見ることも出来るけれど、それって面倒なのも事実。本来付加価値を付けるべき「ソフトコンテンツ」が限定されていて、それに飽きてしまった今では、テレビという商品の価値がどんどん下がっていくのも仕方ないですよね。

勿論、韓国メーカーを初めとして価格競争が起きているのも事実だし、普及品となっているテレビは、直ぐに価格競争に入るのも明らかで、そのあたりをしっかりビジネスに反映出来ていない国内メーカーの責任もあるとは思うんですが、結局はテレビを次の商品として付加価値をどのように付けるか定まらないのが最大の問題点でしょうね。

じゃぁ、どんな付加価値を「テレビ」に付けたら、日本のテレビ産業が域を吹き返すのか。個人的に欲しいなと思うのが、表示装置だけ何台かと、今回の「ゼン録」のように複数のチャンネルを同時に表示録画再生出来るレコーダーを組み合わせて、それにサーバー何かも追加して、家全体で自由に楽しめる「簡易映像ネットワーク」みたいな物って欲しいな、と。表示部分には、表示装置と送受信様のトランシーバー機能だけでも良いですよね。で、モニターサイズも自由に組み合わせることが出来るようにして、リビングには大画面、個人の部屋には標準的なサイズに、トイレやお風呂場には小型のモニターを置くと。で、自分のスマホにリモコンソフトをダウンロードしておき、そのスマホのID登録をすると、再生できる映像やチャンネルが限定出来るとか、利用出来る時間帯を設定出来るとか。

極端な話、今の地デジテレビよりも高解像度奈PC用のモニターって1万~2万円位でも購入出来る時代。あれだけ高精細なiPadの液晶だって、本体込みで数万円で買えるわけだから、コスト的にはそんなに高くはないはず。iPadを部屋のあちこちに貼り付けて、多機能モニターにしてもいいわけだし。逆に、自分のタブレットやスマホを自宅のレコーダー登録してテレビ代わりにしても良いし。一昔前は、多チャンネル化が付加価値の一つで、今は多チューナー化がそうなっているけれど、今後は多画面化がもしかしたら付加価値になるかも。4Kとか薄型化とか、テレビの技術革新はこれからも続くだろうけど、昔ながらの放送局の端末装置として作る限りでは駄目。端末装置とは異なる、情報端末、表示システムとして創造すれば、まだまだ日本の「テレビ」も捨てたもんじゃないでしょう。と、思いたい。

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