2011年10月31日

選択と集中

業界トップのビジネスをしているのに、突然話題になったHPのPC部門分離の話。結局、PC部門の分離は行わず、そのまま維持することに決定したようですね。それなりの規模を持ったSIerとしても、やはり部材としてクライアントPCを持っていることは強いと思うので、これはある意味当然の結果だと思うけれど、でもまたあと一年もしたら同じような話が再燃するのがこの業界でもありますしね。

で、戻る話があれば分かれる話もあるわけで、こちらはSONYとSamsungの液晶パネル生産会社S-LCDからSONYが撤退するというニュース。トリニトロンをスタートに、映像にはこだわりのあった(?)SONYが、Samsungと合弁で液晶工場を作ると聞いたときには驚いたけれど、予想以上の液晶ビジネスの低価格化で、テレビ用パネルは作るよりは買った方が安い時代になってしまいましたね。液晶が会社のコアコンピテンシーだったはずのシャープですら、あの亀山からテレビ用パネル製造を縮小する時代なんですしね。でも、SONYは逆に何年か前に分離した携帯電話事業をエリクソンから戻すし、記事にも書かれているように「選択と集中」の好例ですよね。

ただ、ビジネスの厳しいところは、これで終わりじゃなくて、また何年かしたら次の「選択と集中」をして新陳代謝することをずっと続けないといけないこと。変換のスピードや内容について行けずに衰退することも多いし、また業態が変わってしまうこともあるだろうし。少し前だと、その辺かのスピードも緩やかだし、そうそう変化する事もないので、安定期に会社に入っていると非常に楽だったりしたわけですが、今は10年も会社にいれば何度かそういう変化に遭遇するのが普通の時代ですしね。

今回のSONYの携帯(スマホ)事業の買い戻しなんか見ても、以前のように(言い方は悪いけれど)「損切り」して不採算部門を切り離して、利益の出る体質にするとう意図とは別に、一度身軽な組織にして修業に出して、逞しくなってきたところでその技術を取り込む・協業するみたいな「前向きな選択と集中」というのも有りだなと再認識しました。いゃ、たまたまSONYの場合はそうなっただけなのかもしれないけれど、特に大会社の中の一部門では出来なかったビジネスが、小回りのきく別会社になったことで出来るようになることもあるだろうし。そりゃ、その為の努力や仕事は大変だけど。それを「チャンス」と捉えるか、「ピンチ」と凹むか、重要なところですね。

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