福島の原発事故から、現在の電力各社による地域独占を、発電・送電を分離するという話が出てきています。ただ、個人的にはこの「発送電分離」というのがちょっとピンと来ないんですよね。発電は分かります。今でも、大手企業・工場では、自家発電の電力を売電したりしているから、それが大規模になると思えばイメージできます。でも、送電設備って共通なわけですよね。つまり、契約した発電会社が送電した「電気」を、必ずしもエンドユーザーが使うわけではなくて、送電設備が一種のバッファーになって、発電各社が送電した電気を、契約に応じてエンドユーザーが引き出す感じでしょうか。
例えば携帯電話の場合は、キャリアーと契約すれば通話網もそれに応じて独立している。例えばJR/私鉄の場合は、乗車する鉄道会社の切符を買えば、乗車できるのはその会社の列車だけ(相互乗り入れとかあるけど、それは別と言うことで)。何となく近いイメージとして感じるのは、今契約しているインターネット網かなということ。物理的なネットワーク施設としては、NTT西のフレッツを契約していて、機能としてのインターネット接続はプロバイダー(自分はPlala)と契約しています。でも電気と違って、共通のプラットフォーム上を流れるのはPacketなわけで、それは個別のIDがあって、プロバイダー側とエンドユーザー側で1対1に決まるから良いけれど、電気のようなアナログエネルギー(?)はそういう分離管理出来ないから、結局は「紙の上では発送電分離」するしかないような。
で、そういうシステムになったときに気になるのが、今居座り首相が何が何でも通したいと言っている「再生可能エネルギー特別措置法案」。これは、再生可能エネルギーで発電された電気を固定費で電力会社に購入させるものですが、今のように地域ごとに発電会社が分離されていれば、その地域ごとに買い取りさせることは出来ます。でも、発送電分離されて、発電会社はそれぞれの会社の方針で低コスト高品質の「発電」を目的にしたら、どう言う理由で高コストが予想される再生可能エネルギー発電を買わせるんだろうか。仮に法律で一定量を必ず購入させるとしたら、それって発電会社の分離という競争原理を阻害することになるわけだし、それが安くなるはずの電気料金に添加されたら、本末転倒なわけですしね。もちろん、「自然エネルギー」「再生可能エネルギー」ということに、某かのプレミアム性を感じて契約する人もいると思います。でも、それって今のブランド品と同じ事で、熱狂的なファンは生まれるけれど、多数では無いでしょう。結局多くの人が好み購入するのは、ユニクロでありフォーエバー21であり、H&Mであるわけだし。
自分の勉強不足で、発送電分離のメリットがよく分からないけれど、もう一つのテーマである「再生可能エネルギー」との両立って出来るんだろうか。何か聞いていてしっくり来ない話です。
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