2011年2月9日

トヨタ車急加速問題

大きな問題になった、トヨタ車の急加速問題で、米国運輸省が「電子系統の欠陥はない」という発表したという記事。結果的に、急加速の原因は問題がありリコールしたアクセルペダルとフロアマット、さらに人的錯誤(ブレーキとアクセルの文間違い)という事になりましたね。日本経済を牽引する企業の疑いが解けたことで、これで景気高揚に繋がらないだろうか。

今回の検証では、NASAの強力まで得て解析したので、多分間違いのない結論だと思うけれど、いったいどれくらいのコードやら機能検証やらをやったんでしょうね。ある程度トヨタ側から技術情報が提供されたとは思うけれど、それにしても無関係なNASAの技術者にしては大変な作業だったんじゃないかと。勿論、ロケットと車で規模は違うけれど、エンジン制御とか電子回路とか、似たような部分はありますけど、「似ている部分がある」は「同じ」じゃないですからね。同じ機能のソフトだって、他人が書いたソースを読み解くのがどれだけ大変かと思えば、個人的には問題なしという結論よりも、その結論を導くために電子系統の解析をした技術者を称えたい気分です。

車では無いけれど、自分も昔いわゆる「マイクロコード」と呼ばれる分野のコーディングとかしていたので、多少は経験もあるけれど、行ってみれば「職人芸」の世界なんですよね。最近では開発環境も色々登場して違うと思うけれど、自分の頃はアセンブラーでワンステップずつ記述していくような時代だったし、大体コードサイズにしたって、4KBとか16KBとかで、32KBのROMが使えるなんて聞いたときには、「そんなに貰っても使い切れないぞ」なんて思ったりして(笑)。いまなんてどれくらいあるんだろう。車載システムだと少なく元何十何百MB単位ですよね? もしかしたらGB単位になるのかも。ある程度リソースを掛けて解析したんだろうけど、想像するだけで目眩しそうです。

いずれにしても、第三者の明確な結論が出たからには、この急加速問題も直ぐに収束するんでしょう。亡くなった方もいるので、良かったとは言わないけれど、結果的にこの事件から各メーカーがリコールに敏感になって早めに対策するようになったように思うので、それがせめてもの救いかも。勿論、エンジニアの端くれとしては、誰にしてもどんな場合でも、決してトラブルを起こそうとして製品を作っているわけではないので、リコールが出来るから曖昧にするなんて事も無いんですけどね。それでも、いつも緊張感を持って仕事(開発)しないと行けないと言うことを再認識させられた一連の事件ですね。

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