リアルとネットの融合というのは、ネットワーク時代の大目標の一つだと思うけれど、この「リモート農業」はどうだろう。まず思い出したのは、「リモート墓参り」。ネット経由で自分の祖先のお墓参りすると、それに合わせて実際のお墓の掃除やお線香やお花を上げてくれるサービスだけど、それならお墓もバーチャルにすればと(不謹慎ながら)思ってしまう。
しかもこの場合は、結局ネットワーク経由での操作を実崔の人間が現地で行うわけで、水まきとか草取りをロボットとかでやるならまだしもなぁ。まるで、自動販売機の中に人間がはいっていて、お金を入れると中の人が商品を見つけて出してくれるみたいな隔靴掻痒そのままな話。
農業の問題って、二つの分野があると思うんですよね。一つは食糧自給のために、日々の飲食に使うような一般的な作物を安く大量に作ること。もう一つは、高級品というか、希少品も含めて付加価値の高い作物を作ること。前者の場合は、とにかく大規模農業に集約して、効率的に経済的に育成しないと行けないけれど、後者の場合は小さな作付面積でもうまくやればそれなりの利益になる。日本の場合、なかなか大規模農業をする場所が無いのと、農協が昔ながらの「小作方式」から抜け出さないから、結局やる気のある人は後者の付加価値は高いけれど、日々生活にはそれほど必要ではない作物に走ってしまい、結局農業は盛んになっても、そこから出てくる食料は輸出とか高級レストラン用の物ばかりで、日々のお米とか野菜とかは逆に高価になったりして。
そんな事を言うと、旧ソ連のコルホーズみたいな印象も出てくるけれど、でも農業こそもっとも可能性がある産業だと思うんですよね。とにかく、人間、ものを食べないと生きていけない。必ず一定数の消費が確約されている訳なんだから、そこで何をすればニーズに合うのか、そういうところこそもっと事業仕分けをすればいいのにと思ってしまう。
0 件のコメント:
コメントを投稿