2011年10月14日

計測方法

東京・世田谷区弦巻で発券されたホットスポット。結構細かく地点や高さを分けて計測しても、その中の一カ所、しかも地上から1m位のところが最も高くて、地上部分ではかなり数値が下がるという不思議な計測結果が出ました。また船橋の公園ではもう少し高い数値が計測されていて、ちょっとした騒動になっています。ただ、素朴な疑問として感じるのが、「原発の事故以前はどうだったのか」ということ。

「事故以前はそんなことはなかった」とはっきり言える材料は無いんですよね。だって、誰も測定していなかったから。で、船橋の公園で観測された場所の映像がTVに映っていましたが、これは東屋に降った雨が集まって溜まるような場所だから、まぁ福島の事故の影響で、風と雨で放射性物質が集中してきたという説明は何となく納得できる範囲のもの。でも、世田谷の場所はそんな様子はないような場所なんですよね。その場所の映像を見ていると、結構古い板塀があって、その隙間から樹木なんかが外に出ていたりするんですが、どう見ても船橋の公園のように、それなりの広さの雨水が集積するような場所には見えない。かえって、古い板塀なんかを見ていると、別の理由で長年蓄積された何かが板塀に染みこんでいるんじゃないかと想像されるような光景。

で、昨晩遅くになり、実はその板塀の反対側民家にどうも放射性物質が入っているらしい瓶が見つかり、どうも中にラジウム226が入っているようだ、とのこと。塗料の原料、あるいはラジウム治療のためとか理由は定かでないけれど、とりあえず福島の原発事故の影響では無くてほっと一安心、とは行きませんよね。だって、10年、20年、期間は分からないけれど、かなり長い間個々を通る人は放射線の影響を受けてきたわけだから。この近隣で、長いこと居住している人の健康診断とか行わないんだろうか。今回計測された線量は、福島の計画的非難地域よりも高い値だとのことだけど、それよりも高い値の場所で長年生活していても特に影響が無ければ、非難地域の縮小あるいは変更の参考になるかもしれないし。

暫く前には、中国製などの安価な計測器では正確な値が出ない、高めの値が出る、みたいな話があって、あの時には一応理系の人間として「計測器の較正作業なんてしてないんだろうな」と思いました。今回どの程度の機器を使ったのか分からないけれど、機器の精度だけでなく測定方法も含めてちゃんとして手順で測定しないと、正確な値は分かりませんからね。しかも、何μシーベルトなんていう低い値なわけだし。

数日くらい前のTVニュースで、どこかなスーパーだったか、有料で食物の放射線量をその場で計測出来るサービスを始めたという内容があり、それでも受けようという意図はないだろうと思うけど(確か1000円以下の安い料金だったから)、気になる人は毎日あれで計測して食事を作るのだろうかとちょっと目眩を感じました。そりゃぁ、目に見えない匂いもしないものに対する恐怖は誰でも持っているとは思うけれど、なんか無意味に恐怖心だけを煽る行為だよなとも感じます。

今回の場合も、あら探しとは言わないけれど、あちこち探し回ってたまたま見つけてしまった一つなんでしょうけど、多分これまで誰も「放射線」とか意識することは無かっただろうから、同様の話が出てくるんじゃないだろうか。意図はどうあれ、興味を持って調べることは良いと思います。ただ、その結果明らかになった原因・理由は、自分の意図とは別に理解して受け取る覚悟も必要じゃないかと。今の放射線騒動を見ていると、どうしても悪者をあえて見つけようという、犯人捜しの状況にしか見えないんですよね。

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